「SESはやめとけ」は半分正解|未経験がブラックSESを“入る前に”見分ける10のチェックリスト

優太

内定は出た。でも「SES やめとけ」が、頭から離れない。

未経験からIT業界を目指して、ようやく就職の道が見えてきた。なのに検索すると「SESはやめとけ」「闇が深い」という言葉が並ぶ。かと思えば「未経験の現実的なルート」とも書いてある。どっちが正しいのか分からず、入っていいのか避けるべきか、判断できないまま止まっている——この記事は、そういうあなたのために書く。

先に自己開示する。俺は未経験からIT業界に入って、今も現役でこの業界にいる。だからSESの構造も、未経験が入口で迷う気持ちも、両方分かる。

この記事は「やめとけの是非」を論じない。水掛け論には意味がないからだ。やることは1つ。避けるべきSESと、踏み台にできるSESを、入る前に自己判定できるチェックリストで示す。そのうえで、入るなら踏み台として使う戦略、避けるなら別ルート、の両方を渡す。

なお、もう既にSESで働いていて客先常駐がきつい、という人は、この記事より客先常駐がきつい人向けの記事の方が合う。この記事は「これから入るか迷っている人」向けだ。

なぜ「SESはやめとけ」と言われるのか

まず、「やめとけ」と言われる理由を整理する。感情論ではなく、構造として実在するリスクだ。ここを知らずに入ると、後で「聞いてない」となる。

理由①:多重下請けで年収が構造的に低くなりやすい

SESの多くは、仕事が元請けから二次請け、三次請けへと流れる多重下請けの中にある。商流を経るごとに単価が削られるため、下の層にいるほど年収が上がりにくい。公開データでも、SESの平均年収は400〜450万円台とされ、IT業界全体の平均(537万円前後)より低めに出やすい。個人の頑張りより、商流のどこにいるかで上限が決まりやすいのが構造的なリスクだ。

理由②:案件ガチャ・配属ガチャ

どの現場に配属されるかで、仕事内容も環境も大きく変わる。しかも、それを自分では選びにくいことが多い。良い現場に当たれば成長できるが、そうでない場合の「自分では選べない感」が、SESが敬遠される大きな理由になっている。

理由③:評価が伝わりにくい

客先で働く一方、評価するのは現場を直接見ていない自社の上司、という構造になりがちだ。すると、現場でどれだけ頑張っても、それが評価や昇給に反映されにくい。頑張りと評価の間に距離があるのは、モチベーションを保ちにくい要因になる。

理由④:最悪ケースは「ITと言われて入ったのに」

一部では、ITエンジニアとして入ったはずが、コールセンターやヘルプデスクなど、想定と違う業務に配属されるケースも報告されている。これはあるあるとして語られるが、断っておくと全社がそうなわけではない。だからこそ、後述の見分けが重要になる。

でも「全部やめとけ」は間違い。踏み台になるSESもある

ここまで読むと「やっぱりやめた方がいいのか」と思うかもしれない。でも、話はそう単純じゃない。

未経験にとって、SESは「IT業界に入る現実的なルート」でもある

未経験からIT業界に入るとき、最大の関門は「業界に入ること」そのものだ。実務経験ゼロの状態で、いきなり自社開発の人気企業に入るのは簡単じゃない。その点、SESは未経験の受け入れ間口が広く、IT業界への入口として現実的な選択肢になり得る。ここで経験を積んでから、次のステップへ進む人も多い。

現役の声でも「誤解が多い」との指摘がある

実際、現役SES社員へのアンケート調査では、「やめとけと言われるほど悪くない」「誤解が多い」という声も相当数ある。要は、環境と支援の質によって、同じ「SES」でも価値がまるで違うということだ。問題は「SESか否か」ではなく「どのSESを選ぶか」。だから、見分け方がすべてになる。

「SES やめとけ」は半分正解。構造的なリスクは実在するが、すべてのSESが避けるべきわけではない。未経験にとっては現実的な入口でもある。だから、是非論に飲まれるのではなく、目の前の会社が「避けるべきか・踏み台にできるか」を見分けることに集中すればいい。

ブラックSESを“入る前に”見分ける10のチェックリスト

ここが本題だ。以下は、一般に指摘されている優良企業・ブラック企業の特徴をもとにした、未経験が内定先を前に自己判定するためのチェックリストだ。特定の会社の内情ではなく、あくまで「一般に言われる見分けの観点」として使ってほしい。各項目に、あなたの内定先(または検討中の会社)が当てはまるかを◯×で見ていく。

  • 受託・自社開発の比率や、どんな案件があるかを具体的に開示してくれる
  • 配属先や案件について、本人の希望を出せる制度がある
  • 評価制度・昇給の基準が明文化されている
  • 面談・面接で、想定される現場を具体的に説明してくれる
  • 未経験がコールセンター等に配属される可能性を、隠さず正直に話す
  • 研修制度が「ある」だけでなく、内容が具体的
  • 離職率を聞いたときに、はぐらかさず答える
  • 自社がどの商流(何次請け中心か)を、ある程度説明できる
  • 営業や上長による、現場配属後のフォロー体制がある
  • SNSや口コミの評判に、致命的なネガティブが繰り返し出ていない

判定ライン:×が3つ以上なら要注意

目安として、×が3つ以上つくなら、慎重になった方がいい。特に、上から4つ(開示・希望・評価の明文化・現場の説明)は重要度が高い。ここが軒並み×だと、入ってから「聞いてない」が起きやすい。逆に、多くが◯なら、踏み台として十分に価値のあるSESの可能性が高い。

面接で、そのまま聞いていい

これらは、面接や面談で直接聞いていい質問ばかりだ。「配属先の希望は出せますか」「評価はどういう基準ですか」「未経験の場合、最初はどんな現場が多いですか」。こうした質問に誠実に答えるかどうか自体が、その会社の見分けになる。言葉を濁したり不機嫌になったりする会社は、それだけで1つの答えだ。聞くことを遠慮しなくていい。

入るなら「踏み台戦略」、避けるなら「別ルート」

チェックリストで判断がついたら、次は動き方だ。入る場合と避ける場合、それぞれの現実的な道を示す。

入るなら:踏み台として戦略的に使う

チェックが良好で入ると決めたなら、大事なのは「ここで何を得て、いつ次に動くか」を先に決めておくことだ。入口として使うと決めたら、実務経験を積む、特定のスキルを身につける、といった目標を設定する。目的なくダラダラ居続けると、案件ガチャに消耗するだけになりかねない。「◯年で△△を身につけて次へ」という設計が、踏み台を踏み台として機能させる。

そして数年後、経験を積んだら、自分の市場価値を測って次のステップを考える。そのときはエンジニア年収ギャップ診断で現在地を確かめるといい。給与が上がらない構造に悩み始めたら、SIerの年収が上がらない理由の記事も、その頃のあなたに役立つはずだ。

避けるなら:就職サポート付きの別ルートで入る

チェックリストで×が多かった、あるいはそもそもSES以外で入りたい、という人へ。未経験がIT業界に入るルートは、SESだけじゃない。ウズカレITのような、未経験向けに学習から就職までをサポートしてくれるサービスを使う道もある。受講料が無料で、就職サポート付き、紹介先も選別されているので、ブラック企業を自力で見分ける負担が減る(30歳以下が対象)。

俺自身、未経験からIT業界に入った身として言うと、未経験の一番の壁は「どの会社が地雷か、経験がないから見分けられない」ことだった。その見分けを、サポートしてくれる人に任せられるのは、未経験にとって大きい。自力でチェックリストと格闘するのがしんどい人には、こういう別ルートが合っている。

入るにせよ避けるにせよ、もう1つ持っておくと強いのが「会社に依存しない収入の柱」だ。俺は現役で働きながら副業もやってる。まだ累計500円で偉そうには言えないけど、会社の外に収入の芽があるだけで、キャリアの選択肢を焦らず選べるようになる。

自分に合う副業のタイプは副業タイプ診断で確かめられる。IT業界に入ることと並行して、少しずつ育てておくと、数年後の選択が自由になる。

1つ注意を。この記事のチェックリストは、あくまで「一般に言われる見分けの観点」であって、これだけで100%見抜けるわけじゃない。最終的には、複数の情報源と自分の目で総合的に判断してほしい。チェックリストは、判断の出発点であって、答えそのものではない。

まとめ:是非論に飲まれず、見分けて選ぶ

「SES やめとけ」は、半分正解だ。多重下請け・案件ガチャ・評価の伝わりにくさといった構造リスクは実在する。でも、避けるべき会社が実在するだけで、すべてのSESがダメなわけじゃない。未経験にとっては、現実的な入口にもなる。

だから、未経験のあなたがやるべきは、是非論の水掛け論に飲まれることじゃない。目の前の会社を見分けて、選ぶことだ。チェックリストで判定して、良ければ踏み台として戦略的に使い、危なければ就職サポート付きの別ルートで入る。どちらも、あなたが選べる道だ。

俺も未経験から入った側だ。入り方さえ間違えなければ、IT業界は、経験を積んだ人をちゃんと市場が評価してくれる場所だった。まずは目の前の内定先を、上のチェックリストにかけてみてほしい。避けるべき別ルートを探すなら、ウズカレITのような就職サポートから見てみるといい。

このブログについて
優太
優太
22歳SIer会社員 / 継続ラボ運営
副業を3回三日坊主で終わらせた後、 仕組みで解決できることに気づく。 続けられない人が変わるための情報を発信中。
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